審美歯科

「奥歯は保険で白くできるの?」ー23歳女性の相談から

今日で11月も終わり
いよいよ12月、クリスマスの季節がやって来ます。

こんにちは、山の手デンタルクリニックです。

先週のある日、23歳の女性の方が初診で来院されました。

受付で問診票を書かれている時から、どこか緊張されているようでした。
そして、きれいに整ったメイクや服装を見ると
「歯の見た目に対しての意識が高い方だな」という印象を受けました。

診療ユニットにご案内し、主訴をお伺いすると、開口一番、こうおっしゃいました。
「奥歯も白くできますか?前の歯医者さんで“銀歯しかできない”と言われたんですけど…。」

実はこのようなご相談は、ここ数年で非常に多くなっています。
特に20代前半の女性は、SNS・YouTube・職場での印象などから“奥歯も白くして綺麗に保ちたい”というニーズがとても強い世代です。

奥歯の大きなむし歯治療については、保険制度では主に金属(パラジウム合金)での治療が基本となります。
近年、条件付きで白いCAD/CAM冠が保険適用になるケースもありますが、耐久性や適合精度の観点から、当院では奥歯の強い咬合力に対して最も信頼できる治療として、金属インレー・クラウンを採用しています。

見た目の自然さや金属アレルギーの不安がある患者さまには、保険適用外のセラミック治療をご提案しています。

この23歳の女性には、次にように丁寧に理由を説明しました。

⭐️ 3つの理由
① 噛む力が非常に強いから
奥歯は大臼歯といって、1本あたりに数百kgの力が加わると言われています。
その力に対して、保険の白いレジンは耐えられません。
割れたり、欠けたり、すり減ったりして、結果的に再治療が必要になります。

② レジンは劣化・変色しやすい
前歯なら力が弱いので成立しますが、奥歯では素材が劣化し、
「詰めた時は白かったのに、数ヶ月で黄ばんで見えてくる」ということがよく起きます。

③ 適合精度の限界
奥歯は形が複雑で噛み合わせの精度が重要です。
金属やセラミックに比べると、レジンの適合精度はどうしても落ちてしまいます。

⭐️ 白くしたい場合はどうするのか?
私は患者さんに3つの選択肢を提示しています。
保険:金属インレー(パラジウム)
自費:セラミックインレー
自費:高品質コンポジットレジン(グラディア)
特に若い方は見た目を気にされるので、セラミックかグラディアを選ばれています。

⭐️ 当院の治療方針
当院では、
「奥歯の保険治療は金属で行う」
という方針を明確にしています。
これは、
・長持ちする治療を提供したい
・数ヶ月後に「取れた」「欠けた」で悩ませたくない
という考えからです。

私の説明をお聞きになったあと
「ちゃんと理由を知れて良かったです。じゃあ白い方(自費)でお願いします。」
と納得して治療をスタートされました。

若い世代の価値観に寄り添いながら、医療として正しい選択肢を提示する。
これが大切だと思っています。